『サブスクリプション』を読んだ感想 / すべてがサブスクになる
「すべてがサブスクになる」
IT企業でサブスクサービスを考えたり、転職先のコンサルでもサブスクモデル導入支援みたいな案件がありそうだったりと、最近サブスクと縁がありました。
そこで改めて「サブスクってなんだっけ」ということで、いくつか本を探してみて選んだのが『サブスクリプション』でした。
サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルヘ (角川新書)
- 作者: 雨宮寛二
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/07/10
- メディア: Kindle版
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『サブスクリプション』の概要
古くは新聞の定期購読に始まるサブスクが、デジタル化した現代でどう進化を遂げてきたのかを有名なサービスの事例を交えながらわかりやすく解説しています。
少子化や格差の拡大、AIの普及という背景を踏まえると、今後の日本は消費から所有へと意識が変化していくと考えられます。
そんな中でサブスクにはデジタルサービスとしてコンテンツやBtoBを提供するだけでなく、ユーザーに毎月最適なモノを届けるというサブスクボックスという形態も見られ始めました。
モノからコトへという言葉は昔からありましたが、平成が終わりモノを売る時代の終わりの始まりに突入した今、改めて企業がユーザーに提供できる体験とは何かを見つめ直す時期が来ていると思いました。
『サブスクリプション』のいいところ
日本だけでなく海外も含めて、めちゃくちゃサブスクモデルの事例が多いです。
有名なNetflixやプライム・ビデオに始まり、様々な業界のビジネスモデルが掲載されており勉強になります。
ざっと目を通すだけで、サブスク事業の全体感は理解できるのではないでしょうか。
『サブスクリプション』の感想
全体を通して成功しているサブスクモデルは、顧客との関係性を築くための取り組みを重視している印象を受けました。
良い製品やサービスを適切なタイミングで提供し、 様々な接点で顧客により良い体験を提供する。その手段としてサブスクモデルが最適であれば採用しているのではないでしょうか。
実際にIT企業でサブスクモデルのサービスを作ったこともありますが、価格や機能ももちろん重要ですが、顧客体験向上のために他に突き詰めるべき点がないかも考えればよかったと少し後悔しました。
面白かったサブスクサービス
メルスプラン:コンタクト
- 会員制・月額制の視力保証サービス
- 月額1,800円~で会員数約130万人
- メニコンが卸としてサブスク販売することで、加盟店の価格競争からサービスの質への競争に転換
- 月2,000円で激安1DAYコンタクトを使ってるので、もう少し収入が増えるか、1DAY価格が下がれば使いたい
ラクサス:高級バッグ
- シャネルやエルメスなど高級バッグの貸し出しサービス
- 月額6,800円~
- 貸し出しバッグを自社買付だけでなく、会員の不要なバッグを預かって提供することで流通バッグ数を最大化
- 継続購入促進のためにチャットを用いたコーディネートや、位置情報を用いたレコメンドサービスも提供
- ビジネスマン向けのラインとして、ネクタイやバッグ貸し出しがあれば使いたい
ダラーシェーブクラブ:カミソリ
・マーケティングやクリエイティブの内製化により低価格高品質のカミソリを提供
・月額4ドル~で2枚歯カートリッジが5個配送
・常に新鮮な替刃で髭を逸れるという体験提供
・ジェルやワックスなどトイレタリー周りの製品も販売してクロスセル
ちなみに日本ではDMMがカミソリのサブスクを提供している。
KINTO:車
- 月額約5万円~3年単位での車のサブスクサービス
- 税金や保険料、メンテナンス代も込み
- 数日間のレンタカーと、5~9年間のリースの間をとったサービス
- ひとり暮らし→子持ちなどライフサイクルに合わせて車を変更しやすい
CLAS:家具・家電
- 家具家電のサブスクモデル
- 月額500円~から各種商品をレンタル可能
- 初代バチェラーで有名な久保さんが経営
- 数年で引っ越しが確定しているような学生やビジネスマンにおすすめ
- 家具への初期投資と複雑なオペレーション処理が重要
コーヒーマフィア:コーヒー
- 月額3,000円で1来店1杯無料でコーヒーを飲める
- トーストなど各種サブメニューのクロスセルで利益向上
- 会員の客単価は非会員よりも100円高い
ダイソンテクノロジー プラス:家電