『ファクトフルネス』の感想と活用方法をまとめてみる
ようやく『ファクトフルネス』を読み終えた。
また徒然と感想を書いて見ようと思う。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
著者のプロフィール
■ハンス・ロスリングさん
スウェーデン・ウプサラ市出身の医師であり公衆衛生学者でもある。
正直この本を読むまで名前を聞いたことはなかったが、TEDにも出るくらいの有名人だった。
Religions and babies | Hans Rosling
実はこのファクトフルネスが完成する前の2017年にすい臓がんのため死去しており、ご家族の方が原稿を整理し書き上げたという。
概要
本書では全編を通して、著者が先進国と発展途上国の様々な統計をテストという形で様々な国の人に出題した経験に基づいて進められる。
現代のグローバルエリートでさえも偏見に囚われており、チンパンジー以下の正答率しか弾き出せない。
世界は未だに不幸で貧しい人は増えており、世界の分断は未だに大きく、良い方向には進んでいないのではないか。そんな誤った考えに人は陥りやすい。
なぜならファクトに基づいて考えていないからだ。
そんな中で「ファクトを押さえ、何が真実なのか、何が問題なのかを冷静に見極められるようになろう」というのが本書の趣旨となる。
覚えておきたいこと
1.分断本能:「世界は分断されている」という思い込み
→まずは大半の人がどこにいるか探す
2.ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
→悪いニュースの方が広まりやすいことを忘れない
3.直線本能:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
→直線もいつかは曲がることを覚えておく
4.恐怖本能:危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み
→何事もリスク計算をして考える
5.過大視本能:「目の前の数字が一番重要だ」という思い込み
→数字を比較した上で判断する
6.パターン化本能:「ひとつの例が全てに当てはまる」という思い込み
→分類を疑い、例外を探してみる
7.宿命本能:「全てはあらかじめ決まっている」という思い込み
→ゆっくりでも変化が起きていないか確かめる
8.単純化本能:「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み
→ひとつの知識が全てに応用できないことを覚えておく
9.犯人探し本能:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
→誰かを責めるより、システムの改善を考える
10.焦り本能:「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
→焦らず一つ一つ物事を進める
感想
本書を読みながら仕事で思い込んでいることを思い出していた。
よく使うフレームワークや会社の将来性、施策失敗の原因。
何の気なしに普段行っていることが多いが、改めて本当にそれが正しいのかどうか再考させられた。
特に「過大視本能」「パターン化本能」「犯人探し本能」「焦り本能」あたりは意識して働いてみても良いかもしれない。
経験と感に頼りがちな職場の年長者こそ読んでみていいのではないか。
そう思う今日このごろである。