『カスタマーサクセス』を読んだ感想
カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
- 作者: ニック・メータ,ダン・スタインマン,リンカーン・マーフィー,バーチャレクス・コンサルティング
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/06/06
- メディア: 単行本
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カスタマーサクセスに関する要点
- SaaSとサブスクリプションの普及により、カスタマーサクセスの重要性が高まっている
- カスタマーサクセスとはロイヤルティの創出を指す(特に心理ロイヤルティ)
- 多くの商品がコモディティ化しており、行動ロイヤルティでの差別化は難しい
- カスタマーサクセスの目的は①解約率の低下、②既存顧客の売上増加、③顧客満足度の向上
- 顧客満足度を高めることで心理ロイヤルティを高める必要がある
- カスタマーサクセスは組織であり、原理原則であり、思想である
- カスタマーサポートと比べて、カスタマーサクセスは「能動的」「成功重視」「分析中心」「予測的」である
- カスタマーサクセスはソフトウェアや雑誌に限らず、あらゆるビジネスに応用可能
- カスタマーサクセスはハイタッチ、ロータッチ、テックタッチに分けて提供する
- ハイタッチは価値が高いものの、数が少ない顧客群が対象。内容に応じて定期、不定期の業務を行う
- ロータッチは価値も数も中間の顧客群が対象。テクノロジーを活用しつつ、ハイタッチ顧客への対応よりも基準を下げて、定期の業務を行う
- テックタッチは価値は低いものの、数が多い顧客群が対象。テクノロジー手動で顧客との接点を持つ(メールやコミュニティ、サービスなど)
カスタマーサクセス10の原則
- 正しい顧客に販売する(商品が必要ない顧客に販売すると時間や人の無駄が生まれる)
- 顧客とベンダーは何もしなければ離れる
- 顧客が期待しているのは大成功(商品ではなく、成功体験が欲しい)
- 絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する
- ロイヤルティの構築に個人間の関係は必要ない(ロータッチ、テックタッチのアプローチでもロイヤリティ獲得可能)
- 本当に拡張可能な差別化要因は製品のみ(顧客からのFBで常に製品を改善して、行動ロイヤルティを高めに行く)
- タイム・トゥ・バリューの向上に取り組む(解約を防ぐために、顧客の成功体験までの期間を短くする)
- 顧客の指標を深く理解する
- ハードデータの指標でカスタマーサクセスを進める
- トップダウンかつ全社レベルで取り組む
感想
今話題のカスタマーサクセスがわかりやすく解説されており、勉強になります。特に前職でB2Bのサービス(広告やリサーチツール)を販売していたので、非常に考えやすかったです。
特に広告については外資に単純な機能差では負けがちなので、こういった要素を気にかけながら顧客からの心理ロイヤルティを高めていかないといけないなと改めて実感しました。
またあらゆるビジネスでカスタマーサクセスが応用可能という点も興味深いです。言われてみればスタバとか、まさに心理ロイヤルティですよね。
転職先のコンサルではハイタッチがすべてだと思いますが、ロータッチやテックタッチで顧客を獲得することができるのでしょうか。考える余地があるかもしれないですね。
是非ご一読下さい。