『理系に学ぶ。』 川村元気:理系のトップランナーの思考法
昨年は川村元気さんの名前を聞くことが多かったです。
川村さんは、『君の名は。』『怒り』『何者』と、多くのヒット原作のプロデューサーを務める人ですが、これだけ売れる映画を狙って作る人ってどんな人なんだろうと思い、著書『理系に学ぶ。』を読んでみました。
要約すると、
小さな頃から理系コンプレックスを持つ川村さん。
映画プロデューサーという世界に逃げ込んだことで、そうしたコンプレックスから逃れられたと思っていたけれど、スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグを見ていると世界を変える仕事は理系のものだと改めて思わされました。
そこで養老孟司さんや、宮本茂さんなど名だたる理系のトップランナーたちと2年に及ぶ対談を行い、理系と文系の違いと、文系の役目を探ります。
最終的に川村さんは、理系と文系は目指す所は同じであり、別々の目的で行きているんじゃない。
・人が何を美しいと思うのか
・人はどうすれば幸せになれるのか
を探しながら理系はサイエンスやエンジニアリングから、文系はストーリーやアートを追求しているんだという結論に至ります。
感想としては、ドワンゴの川上さんの一説が印象的でした。
今は短い時間で答えを出すゲームばかりが流行っていますが、昔の智将と呼ばれる人たちは結構優柔不断で、長いことあれこれ考えてから答えを出している。(中略)確固たる答えが出せないのに何か手を打てっていうのは、おかしいですよね。
僕はあんまり辛抱強い人じゃなくて、過去のデータ分析とか事例研究とか嫌いです。でも将来働いていく上で合理的に考えて成果を出そうとするならば、遅かれ早かれ向き合わないといけないんだろうなー。
「即断即決」って響きは良いけど、ある程度の熟考レベルを満たしてないと意味ないですよね。
こうしたスキルって本来文系とか理系とか関係ないはずだけど、大学で身につける機会を作ってこなかったことが悔やまれます。なにかしら勝負で結果を求める人ならば必要なスキルだし、在学中にもう少し耐性付けないとなー。
またね!