Mizolog

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『BCGデジタル経営改革』を読んだ感想

 

 

BCGのデジタル経営改革を読みました。

 

来月から転職で会社は違いますが似たような仕事をすることになると思うので、改めて体系的にデジタルトランスフォーメーションの理解を進めようと読みました。

 

以下まとめです。

 

BCGのプロジェクト分類

BCGの事業分類です。BCGでは事業と活用アセットの新規or既存という、2×2の4軸でプロジェクト分類を行っているそうです。

 

BCGはこうした分類の中で様々な企業に対してデジタルトランスフォーメーションを行っているのですが、大きく分けると既存事業のデジタル化デジタルによる新規事業創出に分けられるようです。

 

1.既存資産活用×コア事業

コア事業の改善(ECサイト改善など)

 

2.新たな成長ドライバー×コア事業

コア領域における別の切り口での事業構築

kinto-jp.com

business.nikkei.com

 

3.既存資産活用×新規事業

既存アセットを用いた新規事業

zuuonline.com

k-tai.watch.impress.co.jp

 

4.新たな成長ドライバー×新規事業

新たな成長基軸となる新規事業(スタートアップの領域)

 

 

既存事業のデジタル化

既存事業のデジタル化においては第一に顧客体験起点での、カスタマージャーニーの整理が重要となります。

 

顧客の行動を整理することで各プロセスに対して、どんな打ち手が考えられるかを想像します。

 

ここで大事なのはどこからどこまでを顧客体験と捉えるかです。

 

例えばサッカーの試合観戦を例に上げると、試合時間だけをジャーニーと捉えるか、チケット購入から帰宅するまでをジャーニーと捉えるかで多くのチャンスが生まれるます。

 

様々な顧客接点でロイヤリティ向上や獲得やクロスセル、解約防止やリテンションなど多くの打ち手が考えられるようになります。

 

そのためには営業やマーケが部署にとらわれずに連携して施策を実施する、「デジタルGo-To-Market」という考え方が重要になります。データをもとに顧客接点において各職種が何をすべきかを検討・実行することが重要になります。

 

またインターネットに繋がれたデバイスとAIで、ハイパーパーソナライズされた顧客体験を提供することも可能です。広告に限らず営業やプロダクトなど様々点において、顧客に最適な価値を提供することが可能です。

 

更に既存事業のデジタル化ではウェブテクノロジーへの理解が必要です。なぜなら良質な顧客体験はウェブテクノロジーによって生まれるからです。

 

アマゾンを想像するとサイトの見やすさや購入~配送完了まで、一連の心地よい体験を支えているのはテクノロジーであると理解できると思います。

 

業務プロセスにおけるRPAについてですが、その本質は部分最適ではなく、カスタマージャーニーに基づいた全体最適の業務プロセス変革にあります。ジャーニーを各部署共通の目標として目標を決めながら、少しずつRPAを導入していくことが有効です。

 

 

デジタルによる新規事業創出

デジタルを活用した新規事業は、既存アセットを活用した事業が中心となります。

(新たな成長ドライバー×新規事業はスタートアップの領域になります)

 

スピード感としてはコンセプト3ヶ月、開発×改善に9ヶ月で計1年以内のローンチが理想です。なぜならデジタルの世界は先行者利益が重要になるからです。ゼクシィやラインのサービスは作れても、今から追いつくことは容易でないですよね。

 

イデア出しについては以下の3つの要素を考慮しながら行います。

  • マクロ環境変化:技術革新や市場トレンド変化、規制緩和
  • ペインポイント:既存サービスへの顕在化した不満
  • 潜在ニーズ:ユーザーが気づいていない感情面でのニーズ/欲求

 

上記をもとに出したアイデアは投資委員会で、20~30案→5~10案→2~3案の規模でコンセプトを絞り混んでいき、実際にローンチが決まればアジャイル方式で開発を進めます。

 

アジャイルとは当初から完成形を目指すのではなく、最も優先度が高いニーズ(1つとは限らない)を満たした上で商品化するという手法です。

 

実際にローンチして顧客のFBをもとに、新商品発売orアップデートを行うことを繰り返しながら、顧客により良い体験を提供できる商品やサービスを生み出します。このアジャイルという手法はR&D、デザイン、プロモーション、人事評価など開発以外でも取り入れることが可能です。

 

ただし注意したいことは、アジャイルは素早く創るという方法論ではなく、顧客と対話しながらチームで協業し成果を作るという「思想」になります。

 

これを社内で共有で共通認識として合意しておかないと、外部委託や社内規定などにより変化を認めるプロジェクトの進め方ができなくなります。またそもそも建築や法規制と関連するようなミスが許されないプロダクトは、そもそもアジャイルが適していない可能性もあります。

 

なので100社あれば100社のアジャイルが存在しており、必ずしも事業全体のサイクルを上げる必要はないのです。

 

 

感想

さすがBCGというところで、デジタルトランスフォーメーションという概念がきれいに整理されていました。ただし事例自体は多くないので自分の知っている商品やプロダクト、自分の職場での仕事を当てはめながら読むといいと思います。

 

そうすることで非常にふわっとした、デジタルトランスフォーメーションというトレンドへの理解が深まると思います!