『次世代コミュニケーションプランニング』高広伯彦:コンテクストに商材を埋め込む
本日の書評は『次世代コミュニケーションプランニング』です。
電通、博報堂でメディア開発に従事し、GoogleでYouTubeなどのマーケティングなど、マス時代からデジタルメディアの過渡期にコミュニケーションに関する仕事をしてきた著者の知見がまとめられています。
メディアの広告営業としては、「代理店の1チャネルに甘んじたらダメだよなぁ」とか思ったり、「シャアされるにはコンテンツと同じくらい、拡散する仕組みの方も大事だよなぁ」と考えさせられました。
中でも特に印象的だった内容は、コンテクストプランニングという独特の視点です。
コンテクストプランニング
このコンテクストプランニングについての話が一番面白かったです。
これは要約すると商品やサービスのポイントを一方的に伝えるのではなく、社会や時代、消費者などが作り出す文脈に埋め込む手法です。
つまり従来型の「どう伝えるか」ではなく、「どんな文脈なら受け入れられるか」にフォーカスしたマーケティングと言えます。
具体的に著者は、以下の4つの文脈から商品・サービスが受け入れられる文脈を考えることをフレームワークとして定義していました。
① Consumer Context「消費者的には~」
② Public Context「社会・文化的には~」
③ Industry Context「業界・産業的には~」
④ Brand Context「ブランド的には~」
4つの文脈を組み合わせながら商品・サービスが必要とされるシナリオを書く。
本来はこうした上流の工程がきっちり決まってから、出向先のメディアが決まるべきでしょう。
やっぱり広告部門で働くなら、やっぱりもっと上流に行きたいと思うし、それか転局してメディア開発したいと思うのでした。